江の島への近道 湘南モノレール株式会社

第3回

こんにちは。「いい線いってる夜(よ)」です!(ちなみに記事の執筆は、鉄塔の加賀谷が担当しております。)
第2回に引き続き、湘南モノレールの「線」に沿って歩き、それぞれが見つけたいい線をご紹介したいと思います。
前回はついにゴムホースを発見することができましたが...

「今日来てよかった。もう帰ってもいい...」

ここまでしばらく富士見町駅周辺を散策していたのだが、石山さんがちょっと降りてみたいと行っていた湘南深沢駅に行ってみることに。

加賀谷「何で湘南深沢駅で降りようと思ったんですか?」

石山「道がとにかくまっすぐで、先まで見通せたので...。あとちょっと坂道かな〜と思ったんですが、そうでもなかった...」

加賀谷「この空き地、気になりますよね」

中島「何だろう...めちゃくちゃ広い」

湘南深沢駅の真横は巨大な空き地なのだ。
あとで聞いたところ、ここは以前JRの操車場だったそうだ。
2006年から空き地のままだそうだが、昨年サーカスが公演しに来たそう。
都会に長いことある空き地って、何だかドキドキする。

石山「この辺りの街灯、王冠がついていてカワイイですね!あと、ちっちゃい!」

言われてみれば、確かにめちゃくちゃ低い位置に街灯が設置されている。普通の高さの2/3ほどの高さに設置されているのだ。

石山「モノレールの真下ですもんね〜」

路地に入り、モノレール沿いの道でなくなった途端に街灯は元の高さに戻るのだが、こちらは電線とのコラボがすごい。

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石山「この、街灯の間を電線がビッと走っているの、すごい!シンデレラフィット!!!」

石山さん曰く、人がより良く暮らすために電線や街灯を配置していった結果、偶然ピッタリと噛み合ってしまった...という感じがこの電線のグッとくるポイントだそう。
この辺りが、今回の「電線的いい線鑑賞の醍醐味を味わえるスポット」だとうっとりしていた。

石山「これが見れただけで、今日来てよかったです。もう帰ってもいいかも...」

加賀谷「帰らないでください...笑」

電線のジャンクション

しばらく歩いて行くと、運送会社の敷地に電柱が。石山さんがしばらく写真を撮り続けている。
3人で歩いていても、3人とも同じものをみているとは限らない。後から話を聞いてみると、てんでバラバラのものをみていることも多いのだ。同じ壁を見ていても、一人は電線、一人は配管、一人はツタを見ていたなんてこともある。

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加賀谷「いい電線ありました?」

石山「向かって右側の3個の引留め具分かります?そこがジャンクションみたいに立体で線を交差させてるんです。」

これは説明してもらわないと全然分からなかった。
石山さんはいつも電線を見ているだけあって、電線の「解像度」が私の何十倍もあるな...と感じる。私くらいの低解像度だと、同じ電線を見せられてもどこに注目していいのか分からないこともあるのだ。
もちろん、圧倒的に面白い電線はあるし、その場合はどこが見どころがすぐに分かる。ただ、第一印象が何の変哲も無い印象の電線もあって、そういう時は石山さんが一体どんな部分に着目しているか聞くと、とても納得できるのだ。
ゴムホースにしても、鉄塔にしても同じかもしれない。対象のことを知れば知るほど解像度は高まる。

電柱を飲み込む「植物のふりした妖怪」

石山さんの解説に納得していたら、ものすごい電柱が!

加賀谷・中島「すごい!」

石山「ツタが巻きついた電線や電柱のことを「ツタ系」って呼んでいるんですけど、これは木が巻きついてる!」

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何の木なのか分からないが、コンクリート製の電柱に木が巻きついて一体化している。石山さんですら、このレベルに一体化した電柱は初めてだそう。
今は冬だから葉っぱが全て落ちているが、春になったら葉っぱが茂るのだろうか。見てみたいけれど、何となく怖い。
妖怪のような力強さがある植物を路上観察学会の村田さんが「植物のふりした妖怪」と名付けているが、まさにそれだろう。春になったらまた見に行かなければ!

絶対に鳥をとめたくない電線

湘南深沢駅で電線を満喫し、湘南江の島駅までたどり着いた私たち。
今日の散歩はもう十分なのだけど、せっかくなので海の方まで歩いてみることに。
江の島入り口の地下道をくぐり、片瀬漁港へ向かう。
ある飲食店の前に差し掛かった時...

加賀谷「あっ!!!なにあれ、やばい...!」

中島「え?なんですか...」

加賀谷「鳥チクがやばい店がある!!!」

中島・石山「ほんとだ!やばい!!」

加賀谷「絶対に鳥をとめないという意気込みがやばい...!」

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本当にびっくりした時、「やばい」しか言えない私の語彙力がやばいな...と思ったのだが、やばいものはやばい。とにかく、こんなの見たことない!というほどに鳥チクが電線に巻かれているのだ。
鳥チクというのは「鳥除けのチクチク」のことで、私が勝手に呼んでいるだけの名前である。

こんなにも鳥除けをしているのに、写真にはバッチリ鳥が写り込んでいるあたりが皮肉である。
この体験以来、鳥を異常に憎んでいる店や家が一定数あるということに気づいたが、この店以上の鳥除けは未だ確認できていない。

大漁!!漁港のゴムホース

片瀬漁港までたどり着き、岸壁を歩いていると、あるわあるわ!数え切れないほどのゴムホースが。本日2度目の、怒涛のゴムホースラッシュだった。

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さまざまなロープに紛れ込むゴムホース。線の中に線!!擬態しているみたいでカワイイ。

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中島さんがゴムホースの好きな部分として挙げるのは「曲線の美しさ」。確かにこれは美しい。しかも、意図せずできた形だということが、とても愛しい。

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水色・緑色のゴムホースたちに混じって、赤青のしましまゴムホース!しかも、ビニールテープを貼って手作りしたもの。

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日本ではあまり見かけない黄色のゴムホース。漁港は色彩が豊か!

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本来の使い方ではなく、クッション代わりに使われれることも多々ある。
これは、チェーンが金属の手すりに接して塗装が禿げないよう、もしくはジャラジャラと音がうるさくないように巻きつけられたゴムホース。古くなったホースを再利用したのかも知れない。

いろんな考察や妄想をしながらしばしゴムホース探しに夢中になっていたら、いつの間にか日が暮れかけていた。

加賀谷「そろそろ帰りましょうか??」

中島「ですね〜。あれ、石山さんは?」

石山さん、疲れ果てて漁港の中の公園の椅子に腰掛け、犬を見ていた。
犬好きだもんなぁ、、石山さん。

(おしまい)

いい線いってる夜の散歩、3回に分けてお送りいたしました。たった1日の出来事なのに。
いかがでしたでしょうか?
3人で散歩をしていると本当にとりとめがなくて驚きます。そして、「ああ、目が6個もあるんだもんな...」と思うのです。脳みそ3個だし。
次回は、宮田珠己さんに湘南モノレール沿線の変なスポットを案内していただきながら散歩します!

(写真:電線/石山蓮華、ゴムホース/中島由佳)

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中島由佳

ゴムホースの写真を撮り続けている写真家。キヤノン写真新世紀 佳作受賞し、展示やトークショー、様々なメディアで一見何でもない物が持つ美しさを発信している。
【2017年】トークショー「別視点ナイト」(東京カルチャーカルチャー)
【2019年】NHK Eテレ「シャキーン!」
【2020年】TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」など

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送電鉄塔を中心に鉄塔をたどり、鉄塔の写真を撮影し、鉄塔をモチーフにした本を作っている。
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石山蓮華

電線愛好家・文筆家・俳優。電線愛好家としてテレビ番組や、ラジオ、イベントなどに出演するほか、日本電線工業会「電線の日」スペシャルコンテンツの監修、月刊『電設資材』連載、オリジナルDVD『電線礼讃』プロデュース・出演。
音楽誌やウェブに連載・寄稿するほか、俳優として映画や舞台、CM等にも出演。
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