江の島への近道 湘南モノレール株式会社

映画的視点で見おろし見わたし見つめる旅(3)

ジェットコースタームービー?

鎌倉に通って4年という阿部久瑠美(あべくるみ)さんは、鎌倉市川喜多映画記念館の学芸員さんです。ところがこれまで湘南モノレールに乗る機会がなかったといいます。そこで大船駅から湘南江の島駅まで乗ってもらったら、さすがに映画の専門家、普通の人とは異なる視点で楽しくお話をしてくれます。海まで散策した後、湘南江の島駅に戻ります。帰りはどんな展開が待っていますやら、乞うご期待!

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江ノ電江ノ島駅まで戻ってきました。
「江ノ電の駅って道路とプラットホームとの高低差も小さくて、シュッと乗れる感じですよね」
たしかに。江ノ電って跨線橋を渡る駅、あったかな。
「私が使っているJRの駅は2階だったり地下だったりで、必ず階段やエスカレーターでかなり上下しますよ」

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「かなり上下する駅はあるけど、あんなに高い駅は見たことないです!珍しくないですか?」
あらためて見上げてみると、すごい高さですね。

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でも大丈夫。昨秋から新装なってエレベーターが付き、エスカレーターも一新、高い所にあるホームへも楽チンです。
「このエスカレーター、短い!」
ほんとだ!
「JR鎌倉駅東口のエスカレーターといい勝負かも」
こんど計ってみましょう。湘南で一番短いエスカレーターはどっちだ!

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ホームの端に立ってみる久瑠美さん。
「下を走る道路もかなり急坂。やっぱりここは高いですね。ロープウェイの山頂駅みたい」
ロープウェイ?
湘南モノレールは「まるでジェットコースター」といわれていますが、映画にも「ジェットコースタームービー」と称される作品がありますよね。「ロープウェイムービー」と名付けたい宙ぶらりんなまま展開する映画も、ふと思い浮かびました(笑)。

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さあ、ロープウェイのゴンドラに乗って、いや「ブラックライン」に乗って大船駅へ向かいます。

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「子どものころ厚木に住んでいたので小田急のロマンスカーに乗るとき、いつも一番前があこがれでした」という久瑠美さん。
「実は今も江ノ電に乗るときは一番前に陣取りたいけど、子どもを押しのけるわけにもいかなし・・・」
今日はどうぞ、思う存分!

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「運転席もコンパクトに見えるのは気のせいですかね」
あまりジーと見ていると運転士さんも恥ずかしいでしょうから着席しませんか?

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「さっきまで家の上を走っていたのに、こんどは家が上に見えたりして、面白いですね」
「生活するには大変そうですが、大林監督や小津安二郎監督の映画にも出てくる尾道をはじめ坂のある風景は絵になりますよね」
そういえば片瀬山駅近くのこのあたりは「四月は君の嘘」(2016年)に登場するそうです。

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「実は家のすぐ前を東海道線が走っているんです。自分にとってはただの騒音でしかないけど、このあたりの人はどうなんでしょうね」
地続きではないので、振動は少ないような気がしますが。
「生活の中に普通の電車じゃなく、いつもモノレールがあるというのはなかなかないですよね。しかも懸垂式、しかも鎌倉。これはすてきな組み合わせかもしれません。映画に出てきたら、かなりインパクトがありますよね」

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そうこうしているうちに大船駅に到着しました。
ホームギャラリーでは映画「パーフェクトワールド」(2018年)のパネル展が開かれていました。
「そうそう、あぁ、しっかり映画に出ているじゃないですか!」

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久瑠美さんと久瑠美さんのシャツと「しょもたん」の顔と、後方に大船観音のお顔が揃ったところで記念撮影です。
「そういえば大船観音も映画に出ていますよね」
「霧の旗」(1965年/山田洋次監督)のワンシーンで、倍賞千恵子さん演じる主人公が熊本から上京する場面の道行きで大船観音が映るそうです。
「どのあたりかをランドマークとして分かりやすく見せる手法なんです」

「武曲」(2017)や「ハニー」(2018)にも大船駅が登場するそう。「武曲」の撮影中には出演者らが川喜多映画記念館を訪れることもあったとか。
「閉館時間を過ぎてから柄本明さんと奥さんがいらっしゃったそうなんです。『僕、誰だか分かりますか?』と尋ねられた警備員さんが「分かりません」と答えると、『じゃあ、これからもっと頑張ります』と帰っていかれたそうです。申し訳ないことをしましたが、後でこのやりとりを聞いて、とてもすてきな方だと思いました」

さて、初めて乗ってもらった湘南モノレールは、いかがだったでしょう。
「いい意味でたっぷり楽しめる片道14分。楽しかったです。最近は車窓から外を眺めることもしなくなっていましたから。しかも、いつもの地上から横を見ているのとは全く異なる、見下ろす視点はたくさんの発見がありました」

実は久瑠美さんが勤めている鎌倉市川喜多映画記念館は鎌倉駅から徒歩8分。ところが小町通りはいつも混んでいるので歩いていてもなかなか進みませんよね。電話での問い合わせには「15分ほど掛かります」と答えているとか。
「そう考えるとすごいですね。小町通りをゆっくり歩いているうちにモノレールは終点まで着いちゃうんですから!」

大船駅で下車して、映画ゆかりの場所を散策してみましょう。
このときはまだ、このあと驚くような出会いが待っていることを久瑠美さんは知りませんでした。

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鈴木章夫
鎌倉好きや鎌倉に関する本が集まる仕組みの小さな会員制図書館「かまくら駅前蔵書室(別名カマゾウ)」(https://www.kamakuraekimae.com)の 室長で、街のハッピーニュースを発信する「鎌倉経済新聞」(https://kamakura.keizai.biz)編集長。バーチャルなフェイスブックも楽しいが、アナログなフェイスtoフェイスを大切にしている。
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