江の島への近道 湘南モノレール株式会社

第4章|中世から続く駒形神社と御霊神社

 いくつかルートの候補はあるわけだが、南にある「駒形神社」と「御霊神社」がすごく気になったのでそちらから向かうことにした。
 明治時代前期の地図だとこんな感じ。

ogikubo_kodou4_01.jpg

 わかりやすいように現代の地図で拡大図を。

ogikubo_kodou4_02.jpg

 南下して山が近づくと、左手に駒形神社の鳥居がある。
 神社自身は奥に見える山の上で、平安時代末期創建という古社だ。

ogikubo_kodou4_02.jpg

 さらに、右手に山を見ながら道なりに進んで山を回り込むと、御霊神社への参道が現れる。

ogikubo_kodou4_04.jpg

 長い参道とその奥に山、という構造が古社らしさを堪能させてくれる。
 御霊神社は平安時代後期に後三年の役で活躍した鎌倉権五郎景政を祀った神社。その子孫が梶原村に居を定め、屋号を梶原とし、1190年に梶原景時が祖霊(である鎌倉権五郎)を祀ったのがはじまりだという。鎌倉時代のはじまりとともに誕生したのだ。
 鳥居をくぐり、奥に見える拝殿を目指す。

ogikubo_kodou4_05.jpg

 そこまでのぼると、崖にやぐらが作られていたり、古い五輪塔が崖に並んでいたりと、実に鎌倉の古社らしい。

ogikubo_kodou4_06.jpg

 五輪塔に至っては古そうだなとよくよく見てみると(ほんとは、帰宅してから画像を拡大した)、中央の大きなものは台座に「建武」とある。南北朝期だ。そんな古いものが無造作に残っているところが鎌倉の奥深さだなあと感心。

ogikubo_kodou4_07.jpg

 御霊神社を出たら、先ほどの明治期の地図に可能な限り従って青蓮寺へ向かう。
 というわけで、川を渡り、県道32号を西へ。
 地図で見るとこんな感じ。
 今回は古い水路沿いの道を斜めに進んだけど、真っ直ぐ道なりに西へ向かい、途中で左折する道の方が本来の江の島道かも(地図上の矢印)

ogikubo_kodou4_08.jpg

 やがて、湘南モノレールをくぐるのだが、その直前で一本南にはいるのがお勧め。
 このあたり、細長い岬になっていてそこをくぐるトンネルがあるのだが、トンネルの南側、水路の奥の崖に石碑が3つばかり隠れているのだ。

ogikubo_kodou4_09.jpg

ogikubo_kodou4_13.jpg

 この写真だとわかんないよね。
 そこで望遠レンズでぐぐっと寄ってみた。

ogikubo_kodou4_12.jpg

 藪に埋もれていて詳細は不明だが、拡大して見ると「馬頭観音供養塔」とある。その左にある小さな石碑は「馬頭観世音」と彫られているようだ。
 馬頭観音って街道沿いに置かれるものだから、何らかの理由でこちらへ移転したのだろう。
 トンネルを抜けたら、南西へまっすぐ進む道がある。

ogikubo_kodou4_10.jpg

 道なりに進むと、やがて北からの道と合流し、丁字路に突き当たる。その向こう、少し高台になってて古そうな家が見える。
 その少し高くなったところから向こうがかつての手広村の集落だ。

ogikubo_kodou4_11.jpg

 ここを地図のようにクランク状に曲がってさらに南へ向かう。

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荻窪圭
老舗のデジタル系ライター兼デジカメ評論家にして古道・古地図愛好家、ときどき猫写真家。本業はデジタルカメラやスマホのカメラに関する記事をメインに、各種デジタル機器のレビューや初心者向けのIT関連の解説などを手がける。猫写真家として連載「這いつくばって猫に近づけ」(ascii.jp)を持つほか、古道・古地図愛好家として新潮講座「東京古道散歩」など各種街歩き講座のガイドも務める。古道研究家として「タモリ倶楽部」(テレビ朝日)出演歴あり。
著書に「東京古道散歩」(中経の文庫)「東京古道探訪」(青幻舎)「古地図と地形図で楽しむ東京の神社」(光文社知恵の森文庫)「デジタル一眼レフが上手くなる本」(翔泳社。共著)など多数。
ブログは「混沌の屋形風呂」https://ogikubokei.blogspot.com
Twitterアカウントは@ogikubokei
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