江の島への近道 湘南モノレール株式会社

湘南モノレール開業当時の古写真の場所はいったいどこか探す旅(4)

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湘南モノレール開業当時の古写真の場所を探し求めてブラブラ歩く第4回目。

前回は、自分の目の節穴さが露呈するという結果となったが、今回はどうか。前回同様、ライターの宮田さん、井上さんと私、西村。そして、湘南モノレール の池田さんとともに、モノレールの古写真からその場所を探し当てたい。

森、そして岩山の横を走るモノレール

今回探し当てたい場所は、こちらの写真だ。

02.jpg森の中を走るモノレール「森」

03.jpg岩山の横を走るモノレール「岩山」

ひとつは、森のなかをモノレールが走っている様子の写真。もう1つは画面左手にある大きな岩の崖が目立つ写真。ひとまずそれぞれ「森」と「岩山」と名付けた。

どちらの写真も、手がかりになりそうな文字情報がほぼ無い。橋脚についているはずの番号も向きのせいか見えない。

手がかりは、レールのカーブの具合、周りの雰囲気。それだけだ。

今までの写真と比較にならないほど難しい。

まずは「岩山」方から推理してみる。岩が露出しているけれど、削り取ったような雰囲気がある。すぐ横をモノレールの橋脚があることを考えると、レールを通すために、岩山をけずったか、切通しを作った場所ではないだろうか?

そんな場所どこだろう?

池田「切通しだったら、片瀬山駅から西鎌倉駅にかけてでしょうか......」

たしかに、あの区間は、モノレールのレールに崖が迫っている区間がある。ひとまず、行ってみた。

04.jpg片瀬山駅にきた

この駅から、西鎌倉に向かって歩いてみる。

05.jpgこのへんが

06.jpg切通しになっている

なかなかそれらしいところが、ない。

まずもって、切り通しのようになっているところはレールがまっすぐなのだ。

カーブとなっているところで、それっぽいところはあった。

07.jpgそれっぽいけれど......

ここが「岩山」の場所だとすると、左手の竹やぶの部分に岩山がそそり立っているはずだが、それがない。

もし、わざわざ岩山を崩したのであれば、崩した後はなにか家か建築物が建っていてもいいはずだが、そういうわけでもないようだ。なにより、竹やぶの下は川になっているのだ。

似ているけれど、ちょっと違うのではないか。確証をもってここだといい切れない。

「森」はどこか?

では、もうひとつの写真「森」はどこか?

レールがまっすぐのびていて、後ろに森が見える。高い橋脚のレールが真っすぐ伸びているというイメージを考えるとまず、町屋が思い浮かんだ。

ひとまず、町屋駅に向かう。

08.jpg見比べてみる

09.jpgホームからの景色が似てるのだ

10.jpg似て......る?

確かに、似ている。似ているけれど、よく見ると、カーブまでの橋脚の数が、写真と合わない。

11.jpgこりゃ違うな

何回数えても、やっぱり橋脚の数が違う。雰囲気は確かに似ている。でもやっぱり違う。

「岩山」「森」の場所探しは、暗礁に乗り上げてしまった。

詳しい人にきこう

「森」と「岩山」の写真をもういちど見返してみる。みればみるほど、やはりこれは、とんでもなく難しい。

詳しい人、つまり湘南モノレールの社員の人にきいてみましょうか? と、池田さんはいう。

それはもう、答えを聞くようなものではないか......。いや、でも湘南モノレールの社員でもさすがにこれは難しいのでは? 詳しい人にヒントを聞くというきもちで話を聞くのはありかもしれない。

というわけで、まず、われわれは大船駅に向かった。

12.jpg大船駅で駅員さんにきいてみる

大船駅の駅員さんに写真を見てもらう。

駅員さん「......これは......どこだろう」

やはり、湘南モノレールの社員の方でも難しいらしい。

ただ、なんとかそれらしき場所を予想してくれたのはさすがだった。まったくお手上げというわけでもないようだ。

駅員さんによると「岩山」の写真は「町屋の老健の近くじゃないかな?」という。

ストリートビューで確認してみるとたしかに景色は近い。

西村「でも、岩山はないですね」

駅員さん「岩山は、削ってしまって、今はないと思いますよ」

たしかに、大船から湘南江ノ島まで、なんども往復しているけれど、モノレールにこんな間近まで迫った岩山があれば、気づくはずだ。しかし、それらしき岩山に気づいたことがないということは、この岩山はもう存在しない。という可能性がたかい。

もう一方の「森」についてきいてみる。

駅員さん「これは難しいな......富士見町? じゃないな......どこだろう」

やはり、どこなのか同定するのが非常に難しいようだ。結局、どこかわからず、湘南江の島の方に、くわしい湘南モノレールの社員が今いるはずだから、きいてみたらどうかと提案された。

「森」ははたしてどこなのか?

大船から湘南江の島に向かう。

湘南江の島駅からすこし離れた場所にある、湘南モノレールの仮事務所に行き、くわしい社員の人に話をきいてみた。

13.jpg湘南モノレールにくわしい社員の方

「森」の写真をみてもらう。

写真をしばらく見ると「これは、西鎌倉の構内だなー」と即答。

詳しい方によると、西鎌倉駅の北側、橋脚がまっすぐ並んでいる場所ではないか。ということであった。

西鎌倉の北側といえば、前回、前々回の交差点などがあった場所に近い。偶然とは言え、今回、一連の捜索で探した場所の西鎌倉率が異常に高い。

というわけで、ひとまずここは西鎌倉駅に戻る。

しかし、疑念は残る

西鎌倉に到着後、想定された場所に行ってみる。

14.jpgこの辺......ですかね?

15.jpgたしかに似てる

言われた場所に立ってみる。

西村「たしかに似てますね」

宮田「似てるけれど......ちょっと違和感があるなあ」

この違和感の原因はなんなのか。よく見比べてみると、レールのまっすぐ具合、橋脚の高さなどは似ているけれど、写っている橋脚の数が合わないのだ。とくに、カーブしているところの橋脚が二本ほど足りてない。

16.jpg

いったいどういうことなんだろう。

カーブ部分の橋脚がいつの間にか抜けたのか。いや、そんなことは無いはずだ。とすれば、「森」の場所は、ここではない。と、考えるしかない。

17.jpgどう見ても橋脚が足りない......

この「岩山」「森」のどちらの写真も、必ずどこかではあるはずだ。しかし、周囲の風景がまるでかわってしまっているので、なかなか同定ができない。

この写真の場所は、いったいどこなんだろうか。

途方にくれる我々だったが、そこで、取材終了の時間になってしまった。

最後のふたつは結局どこかわからず......

湘南モノレールにあった5枚の古写真。そこは現在、どうなっているのか?

最終的に、3枚までは、おおよその場所は同定できたものの、残りの2枚は、果てしなく難しい画像であった。

それはまさに、湘南モノレール沿線が、この40年の時間で大きくさまがわりした証左でもあるかもしれない。

18.jpg最後の2枚がわからなかったのがくやしかったので記念撮影

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西村まさゆき(続編)
ライター。鳥取県倉吉市出身、東京都中央区在住。めずらしいのりものに乗ったり、地図で見た気になる場所に行ったり、辞書を集めたりしています。著作『ファミマ入店音の正式なタイトルは大盛況に決まりました』(笠倉出版社)ほか。移動好き。好物は海藻。
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